メニューにジャンプコンテンツにジャンプ

トップページ > 図書館の情報 > 図書館の刊行物 > 図書館だより「ことばのうみ」 > 宮城県図書館だより「ことばのうみ」第34号 2010年7月発行 テキスト版

宮城県図書館だより「ことばのうみ」第34号 2010年7月発行 テキスト版

おもな記事。

  1. みやぎ本の杜 「出郷」。
  2. 特集 知ってトクするNDC。
  3. 県図トピックス。
  4. 図書館 around the みやぎ。
  5. 図書館員から読書のすすめ。
  6. 叡智の杜レポート。
  7. 図書館からのお知らせ。

みやぎ本の杜 「出郷」。

私の生れましたのは東北の青葉の城下、あの仙台でございます。生家は星と申し、伊達藩の漢学者の家でございまして、祖父は晩年、評定奉行をつとめましたと聞いております。
儒教を奉ずる家の事とて、祖先の霊を祀るところを祠堂と申し、すべて白木づくり、まことに清浄にとりなされてはありますけれど、何となく淡々としてさびしく、子供心の満たされぬものがございました。
そして友達の家にまいりますと、そこには床しくも香煙のかすかにただよう仏間があり、金色の光りの籠る仏壇に、その燈明の火を見るのでございました。すると私はその前に行ってじっと掌を合わせたくなりました。ああ自分の家にもこういう火が点っていて、家中のものが、朝夕に集って、心を一つにして合掌礼拝するというようであったらと、仏教徒である友達の家を真実うらやましく思ったものでございますが、いま思えば、それが私というものの心の芽の、はじめてこの世に双葉をひらいた時でもございましたでしょうか。

(『黙移 相馬黒光自伝』平凡社 1999年 15ページより)。

著者のご紹介。

相馬黒光(そうま こっこう)(1875~1955)
本名は良。旧仙台藩士・星家の三女として生まれる。宮城女学校をストライキ事件により中退。フェリス女学校を経て、1897年に明治女学校を卒業。相馬愛蔵と結婚し、東京で「中村屋」を創業する。多くの芸術家・文化人と交流した。1936年の『黙移』に続き、『広瀬川の畔』などを出版した。

特集 知ってトクするNDC。

宮城県図書館には、およそ100万冊の蔵書があります。
皆さんは、これらの大量の本が書架(本棚のこと)上にどんなルール・順番で並べられているか、ご存じですか?
実は、宮城県図書館をはじめ日本の多くの図書館で採用されている、本を分類・並べるためのルールがあります。その名もNDC(「日本十進分類法」。Nippon Decimal Classificationの略)。
今回の特集では、NDCとは一体どんなしくみなのか、NDCを知っていると、図書館でどんなトクをすることができるのか、簡単に皆さんにご紹介します。

分類とは。

「分類」とは、「多数の対象を、それらに共通する性質によって分ける」(日本十進分類法 新訂9版)ことをいいます。一言で「分ける」といっても様々な方法がありますが、現在図書館で広く採用されているのは、本をテーマ毎に分類する方法です。
例えば『お弁当レシピ』という本なら「料理」、『サッカー上達法』なら「球技」というテーマに分類され、それぞれの書架に並べられます。
このテーマ毎に分類する方法を「主題分類」といいます。

分類するのはなぜ?

多くの図書館では、この「主題分類」が採用されています。
テーマ毎に本を並べると、似た内容の本が一か所に集まるので、本を探して書架を行き来する必要がなくなる、という利点があるためです。
また、読みたいテーマの書架へ行けば、探しているテーマの本を何冊も見つけることができるので、効率的に本を探すことができます。
もし、本が分類されていなかったら…不規則に並んだ大量の本の中から、目当ての一冊を見つけることは至難の業です。誰にも見つけてもらえず、読まれなくなる本もでてくるかもしれません。
「いずれの図書にも、すべてその読者を」とはインドの図書館学者S.R.ランガナタンの言葉です。一冊でも多くの本が、一人でも多くの人に読まれるために、分類は欠かせません。

基準が必要。

ひろく普及している「主題分類」ですが、分類する基準がバラバラでは、同じ本でも図書館によって違うテーマの書架に並べられてしまいます。利用者が混乱しないためにも、分類には一定の基準が必要です。そこでNDCの出番です。

NDCとは。

NDCは、メルヴィル・デューイの「デューイ十進分類法」をもとに、森清(もり・きよし)によって発案されました。正式には、「日本十進分類法(Nippon Decimal Classification)」といいます。昭和4年(1929)に初版が発行され、平成7年(1995)には新訂9版が発行されました。
日本の標準的図書分類法として、多くの公共図書館で採用されています。

NDCのしくみ。

NDCは、全ての本を「総記」「哲学」「歴史」…など計10個の「類目」というテーマに分け、それぞれ0から9の数字を割り当てています。
各類目はさらに0から9の10個の「綱目」に分けられ、各綱目はさらに0から9の10個の「要目」に分けられます。このように、10個ずつ分類が進んでいくのが「十進分類法」の名前の由縁です。NDCは「主題分類」であると同時に、一つのテーマをだんだんと掘り下げて分類していく「階層分類」でもあるのです。

知ってトク(1) 本が探しやすくなる。

皆さんは、図書館でどうやって本を探していますか?
NDCは、本の主題(テーマ)を「分類記号」で表しています。
「分類記号」とは、類目、綱目、要目を表す数字を左から順に並べたものです。図書館の本の背表紙には、数字の書いてあるラベルが貼ってありますが、実はこれが「分類記号」です。つまり、ラベルの分類記号を見れば、どんなテーマについての本か、読まずに知ることが出来るのです。
また、蔵書検索をするときも、タイトルなどの条件に加え分類記号からも検索することで、検索の結果を絞り込むことができます。
注意:宮城県図書館のタッチパネル式端末では、分類記号では検索できません。

知ってトク(2) 読みたい本がどの棚にあるか分かる。

書架には分類毎に本が並んでいます。
例えば、政治に関する本が読みたい場合、政治は「3類 社会科学」に分類されるので、3類の棚へ行けばよいとすぐに分かります。
書架には分類記号が振られていますので、類目だけでも覚えておくと、どの本がどのあたりの書架に納められているかが分かります。
注意:宮城県図書館のみやぎ資料室、こども図書室、音と映像のフロアでは、NDCを基に、本館独自の分類法を用いている場合もあります。

県図トピックス 県図で化石発見!

宮城県図書館の建物には国内外の石材24種類が使用されており、その中には化石を含むものがあることがわかっています。
例えば、3階にはフズリナという古生代に繁栄した有孔虫類の化石が見られます。壁中に米粒状となって現れた模様は、もともとの石材の模様と勘違いしてしまいそうですが、実は生命の生きた証なのです。
そのほかにも、1階や2階の壁中には頭足類(アンモナイトの仲間)やサンゴ類、巻貝類の化石が混在していることがわかっています。

図書館 around the みやぎ シリーズ第28回。

5月29日、柴田町図書館がオープンしました。柴田町は仙台市から南へ25km。約39,000人が暮らす町で、日本桜の名所100選に選ばれている白石川沿いの「一目千本桜」と「船岡城址公園」を有する“花の町”です。図書館はこの船岡城址公園の麓に位置する「しばたの郷土館」の中に誕生しました。
しばたの郷土館は「ふるさと文化伝承館」や「資料展示館・思源閣」、「産業展示館」「茶室・如心庵」「齊藤博記念文庫」からなる町の文化施設で、図書館は「ふるさと文化伝承館」の1階部分327平方メートルを改修し整備したものです。
図書館の立ち上げ・開館には、多くの住民に携わっていただきました。町の既存施設を図書館化するにあたって教育委員会が設置した「まちの図書館設置検討会」では、公募により委員となった住民と行政が共に施設の選定から目指すべき図書館像の素案までを検討しました。また、多くの町民から図書の寄贈をいただき、現在蔵書として活躍しています。さらには、図書館開館を祝うイベントにも多くの住民有志に企画段階から参画していただき、図書館開館を影で支えていただきました。
住民との『協働』で第一歩を踏み出した図書館は、住民一人ひとりの暮らしの中に役立つ『みんなの図書館』を目指し、次の一歩を着実に進んでいきたいと考えています。

柴田町図書館のご紹介。

図書館のデータ。

蔵書冊数:23,178冊(平成22年6月末)

貸出冊数:6,396冊(5月29日から6月末実績)

開館時間:火曜日から金曜日 午前10時から午後7時まで 土・日曜日・祝日 午前10時から午後5時まで

休館日:月曜日(祝日のときは翌日) 毎月末日(土・日曜日の場合は直前の金曜日) 年末年始、特別整理期間(年間10日以内)

交通:JR船岡駅から徒歩15分

住所:郵便番号989-1603 柴田郡柴田町船岡西一丁目6番26号

電話番号:0224-86-3820 ファクス番号:0224-86-3821

図書館員から読書のすすめ 『人生は、美しい謎に満ちている。』 みやぎ資料室 日野文都

「謎」、というと皆さんは何を思い浮かべられるでしょうか。
微笑?
秘密の気配?
解き明かされるのを待っている、ちょっと日常からかけ離れた不思議な事柄?・・・いえいえ、ごくありきたりに見える毎日のなかにも、様々な謎が存在します。
謎は、どこか遠くまで出かけるとか、特別な体験をしなければ見つけられないものではありません。
人生はたくさんの謎に満ちており、それに気づく事ができれば、昨日と変わらないように見える今日を、ほんのすこし興味深く過ごすことができるのです。今回は、私たちが見過ごしてしまいがちな謎や不思議に心をとめて追求していった人々の話や、それらの過程、彼らが明らかにした事柄を読みやすくまとめた本をご紹介します。
新年度が始まって三か月、慣れてはきたけれど何となく日々が灰色に思えてきたなあ・・・という時の気分転換にもいかがでしょうか。

こんな本を選びました。

『世界を変える七つの実験 身近にひそむ大きな謎』
ルパート・シェルドレイク著 田中靖夫訳 工作舎 1997年

『ヘウレーカ!ひらめきの瞬間 誰も知らなかった科学者の逸話集』
ウォルター・グラットザー著 安藤喬志訳 井山弘幸訳 化学同人 2006年

『自然の見方が変わる本』
日本自然保護協会編 山と溪谷社 2007年

叡智の杜レポート 「第41回子どもの本展示会」を開催しました。

平成22年4月17日(土曜日)から4月29日(木曜日)まで、本館2階のホール養賢堂において、「第41回子どもの本展示会」を開催しました。本展示会は、「こどもの読書週間」に合わせて毎年開催しているもので、図書館、学校、地域、家庭など、さまざまな場面での「子どもと本との出会い」に役立つことを目的としています。
今回は、本館が所蔵している平成21年に出版された児童書や絵本などのうち、約1,500冊と、産業に関する本(80冊)、赤ちゃん絵本(50冊)、児童資料研究書(30冊)を展示し、会期中は延べ786人が来場しました。会場では、読み聞かせをする親子や、絵本を夢中で読みふける子どもの姿が見られ、豊かな子どもの本の世界に触れるひとときを楽しんでいる様子がうかがえました。

図書館からのお知らせ。

重要なお知らせ

平成22年10月1日から,返却期限が過ぎた資料がある場合は,その資料が返却されるまで図書館資料の新たな貸出しを受けることができなくなりました。
より多くの方に資料を公平に利用していただくためですので,ご理解とご協力をお願いいたします。

館長講座を開催します

宮城県図書館 館長 佐藤明男が講師を務め,全3回の講座を行います。事前申込は不要です。皆様のご参加をお待ちしています。

開催日は7月31日(土曜日),8月28日(土曜日),9月25日(土曜日)です。

時間は3回とも午後1時30分から午後3時までです。

第1回の内容は「スウェーデン・デンマーク」です。(終了しました)

第2回の内容は「ドイツ・フランス」です。

第3回の内容は「イギリス」です。

場所は図書館2階 ホール養賢堂です。

事前申込不要です。当日、会場にお越しください。

お問い合わせは企画協力班(1階) 電話番号:022-377-8444へどうぞ。

特別展「時代(とき)をよむ─雑誌と歩んだ130年─」

国民読書年にあたり、明治から平成までの約130年間に出版された雑誌のなかから、『国民之友』『中央公論』『赤い鳥』など約200点を展示します。
時代の動きや人々の暮らしの中で雑誌が果してきた役割や雑誌の出版文化を紹介します。宮城県の雑誌出版などもあわせて紹介します。

期間は平成22年7月17日(土曜日)から平成22年12月18日(土曜日)までです。

時間は午前9時30分から午後5時までです。

場所は図書館2階 展示室です。

お問い合わせは調査班 電話番号:022-377-8499へどうぞ。


この「ことばのうみ」テキスト版は、音声読み上げに配慮して、内容の一部を修正しています。
特に、句読点は音声読み上げのときの区切りになるため、通常は不要な文末等にも付与しています。

「ことばのうみ」は、宮城県図書館で編集・発行しています。
宮城県図書館だより「ことばのうみ」 第34号 2010年7月発行。